

帝王切開後は母乳が出にくいらしい…
逆子が治らなかったため、私は帝王切開での出産になりました。
同じく帝王切開経験者の姉からは…

帝王切開はおっぱいがなかなか出ないからしんどいよ〜。
とは聞いていたけれど、まさかこれほどまでに苦労するとは思いませんでした。
今まさに授乳が1番の困りごとになっている方にお役に立てる情報もあると思うので、ぜひ読み進めてみてくださいね。
この記事はこんな方向け
- 帝王切開後の授乳に苦戦中
- これから予定帝王切開を控えていて授乳がどうなるのか不安。体験談を聞きたい
- 授乳時の痛みなど別のトラブルにも困っている
- 授乳が痛いしなかなか量が増えないし眠いし…心が折れそう。完ミにしてしまおうか迷っている
私の場合、術後丸2日は立つこともできず、下半身の麻酔が完全に切れるまでに3日。
本来なら2日目に予定されていた「立つための練習」も麻酔がよく効く体質だったためかなかなか痺れが切れず延期になり…。
授乳の練習に取りかかれたのは結局出産から4日後でした。

出産直後からカンガルーケアをしながらすぐにお乳を咥えさせることができたママさん達に比べて4日の遅れは結構痛いです…。
というのも基本的にミルク育児の場合、ミルクの量は10ml×日数で計算するらしく。
4日遅れということはスタートからすでに40mlの母乳が出てないといけない事になり、すぐにそんなに出るわけもなく。。
それどころかうまく咥えさせることすらできなくて、なんとか保護器を使って吸わせられた頃は出産後6日目。
必要量は60mlなのに、めいっぱい頑張って両乳で15ml(赤ちゃんの体重計で計測)という有様でした。。
取り急ぎ裏技を教わり退院
母乳訓練が始まって早速つまづいたのが、そもそも滑って乳首を咥えさせられないという事。
助産師さんにほぐしてもらうと一時的に柔らかく伸びそうな気配があるもののすぐに凝り固まるし、娘も初心者だから咥える力加減もできないしでなかなか前に進めない・・・。

生まれて間もないほにゃほにゃの赤ちゃんの頭をぐいっと押さえつけておっぱいを咥えさせる訓練は毎度ギャン泣きで辛かったなぁ。
そうこうしてかろうじて咥えられても浅飲みになってしまうためすごく痛くて、あっという間に傷や血豆ができてしまいました。
幸いなことに、私が出産した病院は母乳への思いが強く(ただ強制はしない方針でもある)、入院中助産師さん達が代わる代わるやってきてはこっちの乳頭保護器はどうか?搾乳器を使ってみる?などとあらゆる方法を提案してくれました。
退院まで時間がない中で、たぶん私よりも助産師さん達の方が焦ってたんじゃ…?と思うくらい、短期間であれこれ策を練ってくれたのですごくありがたかったです。
そして最終的にたどり着いたのが、正式な乳頭保護器ではなくピジョンの「母乳相談室」という哺乳瓶の乳首を(枠から外した状態で)胸に直接あてて乳頭保護器のように使うという方法でした。

枠から外した状態で胸にあてて乳頭保護器のように使います
あくまでも本来の使い方ではない裏技だし応急処置的なものだけど、結局1カ月近く活躍してくれました。
搾乳器で絞って哺乳瓶で飲ませる方法もやってみたけれど、
毎回、
- 搾乳(左右10分ずつ)
- ランシノーでケア
- 哺乳瓶で授乳
- 足りない分のミルクを調乳
- 授乳
- 搾乳器と哺乳瓶を消毒
っていう行程を1〜2時間毎に繰り返すことになり、なんなら消毒終わったら次の授乳時間になってしまうのでやめました。

というか続かなかった…。
この裏技保護器を外すきっかけは、使うと乳首の先が痛くなってきた事でした。
この裏技保護器は中が真空になって乳首が引っ張り出される仕組みで、ある時期から乳首がよく伸びるようになったため、逆に吸引力で吸い出された乳首の先端に傷がつくようになってきたのです。

保護器で乳首切れるってどゆこと!?( ゚д゚)
ピジョンの乳頭保護器も私には合わず、もう他に手がない…。
焦りながら痛みでチャレンジしなくなっていた「直に咥えさせる練習」を泣く泣く再開しました。
痛みを我慢し、結局右は3週間目、左は1カ月ほどで卒業できました。
乳頭保護器としての役目を終えてからは哺乳瓶に着けてミルクを足す時に使用しています。
傷ついた胸を休めているうちに母乳の量が減り不安が爆発…生後2週間めで母乳相談室へ
生後2週間というと検診以外外出を控えている頃で、私自身新生児連れての外出に全く慣れていない時期。
それでも、タクシーで母乳相談室へ行きました。
まだ帝王切開の傷も痛み、外に出るのは辛かったけど、それ以上に、入院中せっかく助産師さんたちに出るようにしてもらった母乳が出なくなってきていることに焦っていたので。
結果、行ってよかったと思います。

この時期はまだ保護器が外せず困っていたことを相談できたし(しかもその日に初めて直接咥えさせるのに成功したし!)。
マッサージでまだ伸びなかった乳頭をほぐしてもらえたのももちろんありがたかったけど、焦っている気持ちを吐き出す事がこの時期の私には必要だったんだと思います。
桶谷式の母乳相談室はストイック
私が授乳について困っていたこの時期に相談したのは、全部で3カ所。
2週間目に行った桶谷式の母乳相談室と、出産した病院の母乳外来(こちらもメソッドは桶谷式っぽい)と、生後4ヶ月まで利用できる産後ケアのデイサービス常駐の助産師さんでした。
↓産後ケアのデイサービスの体験談の記事も書いているのでよかったら読んでみてください。

そして結局ずっとお世話になったのはデイケアの助産師さんでした。
出産した病院の母乳外来は手厚くてすごくよかったけど通うには遠くて断念。
そして近所にあった桶谷式、どうやっても保護器が外せなかったのに一回で咥えさせられたのとか、よかったんだけど…結局は助産師さんとの相性かなと。
桶谷式相談室で印象的だったのが、バナナの絵が授乳中に良くない食べ物として壁に貼ってあって

バナナも授乳には良くないんですか?
って聞いたら、

ああこれは果物全般って意味ね。最近の果物はみんな糖度が高いでしょ。
と…。
( ゚д゚)
糖分取りすぎは良くないんだろうけど果物全般て。
一体何食べればいいの…。
この頃、短い授乳間隔の合間に気軽につまめる!とピオーネやらみかんやらいっぱい食べてたので、これは続かないな…と気後れしてしまって…。
そんな時に行き始めた産後ケアのデイサービスで、追加料金ナシで母乳指導までしてもらえたのと、程よくゆるめの助産師さんとの相性がよかったのであっさり鞍替えしてしまったのでした。
私は「そのストイックさがちょっと・・・」と思ってしまったけど、(だから今も混合のままかもしれないけど・・・)合う人にはすごく力になってくれる場所だと思います。

実際、いつも予約が取りづらくて常にママさんたちでいっぱいでしたからね。
使ってよかった乳頭ケアアイテム
ランシノー
羊毛の脂を原料に赤ちゃんのお口に入っても大丈夫なように精製したものらししいです。
血豆ができては潰れ…を繰り返し、いよいよ追いつめられた時にぐぐりまくって巡り会いました。

まぁまぁなお値段だけど藁をもつかむ気持ちだったので速攻ポチったところコレが大正解。
口コミ通り、厚めに塗れば保護カバーのような役割にもなってくれて、高保湿を保つ事で傷の治りを早める効果があったようです。
ランシノーはこっくりとしたカタめのオイルです。
私が使っていた秋冬の時期だと溶け流れることなく厚塗りした部分でとどまってくれてました。
(上の写真は授乳も終わって余裕が出てから撮ったもの。9月のまだ日中残暑の残る日に窓際で撮ったので若干とろけています。)
入院中に助産師さんからもランシノーの上からラップ貼って保湿する方法を教えてもらっていました。
だけど、頻回授乳をしながらラップを小さく切って授乳の合間に貼っては剥がし…というのがマメではない私にはできず…。
それよりも隙あらば寝たい!っていう時期だったし。
やっぱり最終的に良く効いたのはランシノー+ラップ保湿だったけど、ラップは一日1〜2回のスペシャルケアとして。
その他は毎回授乳後にランシノーの厚塗りで過ごしてみたら感覚的に治癒効果が上がりました。
このケア方法に辿り着いてやっと傷が癒える前にまた傷が酷くなるスパイラルから抜け出せました。
デメリットがあるとしたら、指についた後しばらくスマホがさわれなくなることですかね…。
なんせ保湿力が凄いのでベタベタがなかなか消えてなくならないです。
ピアバーユ
出産した病院で勧められたのがこのピアバーユで、ランシノーに出会う前まで使ってました。
その名のとおり「馬油」でランシノーよりゆるくて、こちらも赤ちゃんのお口に入ってもOKなように精製されたものみたいで安全です。

ただその分お値段も張りますが…。
ランシノーを使うほどの傷はないけどキズ防止に日頃から乾燥を防ぐために使うとか、ランシノーがない時にピアバーユ+ラップ保湿として使うのもおすすめですよ。
ピアバーユの方は、食用油と同じような手触りです。
垂らすとすぐにタラーっと広がっていきます。
私はランシノーを使うようになってから余ったので、ピアバーユを娘の髪の保湿に使っていました。
母乳訓練用の乳首「母乳相談室」

おばあちゃんに母乳相談室の哺乳瓶でミルクをもらう娘。
「母乳相談室」という名のピジョンの哺乳瓶は、入院中に乳頭保護器の裏技として助産師さんに教えてもらって出会いました。
調べてみると混合育児の人のために開発された哺乳瓶という事がわかりました。(何も知らずに姪っ子のお下がりをそのまま使おうとしていたので、乳首にいろんな種類があることにびっくり)

「乳頭混乱」という言葉があることもこの時初めて知りました・・・。

向かって左がよく見かける「母乳実感」で、右が「母乳相談室」という名前の乳首です
ふつうにドラッグストアにも売っているピジョンの「母乳実感」という哺乳瓶の乳首だと、母乳より哺乳瓶の方が簡単に出るので飲みやすく、飲むためにある程度吸う力が必要な母乳を飲まなくなってしまうこともあるのだそうです。
その点「母乳相談室」の乳首は赤ちゃんが乳首に舌を巻きつける練習ができるのと、「母乳実感」より数倍の力で吸わないと出ないように作られているので、混合を続けているうちに母乳を飲んでくれなくなる可能性を減らせるということなんですね。
ただ、母乳相談室はどこにでも売ってるわけじゃないみたいです。
私は退院する時に病院の購買で購入し、洗い替えに数個Amazonで買い足しました。
ちなみに、乳頭保護器としての役目を終えた母乳相談室の乳首を、母乳実感のついていたピジョンの哺乳瓶に付け替えて現在も使っています。

母乳相談室のピンクの枠のままでもいいし、母乳実感の黄色い枠に付け替えることもできます
新生児用の細い哺乳瓶にはサイズが合いませんが同じピジョンの普通の太さのものなら互換性があるようです。

向かって左から母乳実感、母乳相談室。右の白い枠のものが新生児用の哺乳瓶で直径が小さいです
一式セットになった「母乳相談室」はこちらで購入できます。
母乳が出にくい人はお金も時間もかかるけどそれでも混合を続ける意味はあるのか
今の状況に辿り着くまでには文字通り血も見たし、搾乳器や乳頭保護器も買いそろえ、ランシノーを買い足し、母乳量増やしたくて母乳外来に通い…。
まだ生後2週間の時は移動にタクシー代もかかり…お金も結構かけたと思います。
また母乳だけでは足りないからずっと混合で、
という流れを毎回やるため、完母や完ミよりもずっと時間もかかります。
諸々やったわりには未だ混合だけど(しかも粉ミルク多めの…)、それでも私は諦めないでよかったと思っています。
ギャン泣きを回避できる
母乳が軌道に乗らなかった頃、ミルク作りの間にギャン泣きさせてしまうのがすごくストレスでした。
しかも私の娘は生まれたての頃、泣き入りひきつけ(憤怒けいれん)というのによくなってしまっていました。
泣かせすぎることでうまく息が吸えなくなってしまい、顔がうっ血したようになったり直後は気絶したようになってしまう症状が出ていたのです。
泣き入りひきつけについて詳しくはこちらの記事に書いています。

真夜中の薄暗い中でのただでさえ慣れない調乳に焦りが加わるので、この状態がづづいた2カ月めの半ばくらいまでが一番辛かった気がします。
母乳が40mlくらいなら安定して出るようになってからは、まず母乳を飲ませて空腹を満たしてから落ち着いてミルクを足せるので、ギャン泣きさせてしまうストレスからは解放されました。

3カ月を過ぎた今は、さらに3時間おきに予想してミルクを用意するなどしてMaxでぐずる前に授乳してあげられているので、更に楽になった気がします。
赤ちゃんが泣いて知らせてくれるまで待ってからあげた方が一度に飲める量が増えるだろうと入院中に教わって以来、時間を開けることを意識していました。
だけど、この方が空腹すぎる状態を回避できてお互いにストレスフリーになるんじゃないかと思います。
あくまでも私と娘の場合はですが。
母乳で寝てくれる
長い間痛みや量が増えないことに悩まされてきた中で1番嬉しかったのは初めて授乳中に寝てくれた瞬間でした。
出産も帝王切開になってしまい、達成感がいまいち得られなかった私にとって、母乳で日々ささやかな達成感を得られるという事がこの上ない幸せで…。

あきらめないで本当によかったなと思います。
【追記】
5ヶ月経った今は、お互いに慣れて痛みも全くなく母乳タイムが幸せ!と噛み締めていたら、母乳飲みながらじゃないと寝れない娘になってしまいました。゚(゚´Д`゚)゚。
どんなにしんどくても眠くても寝かしつけを夫にバトンタッチできないのはこれはこれで辛い…。
でも、一番密着していられるかけがえのない時間を過ごせるのは今だけ!と思って頑張れています。
量は少なくても免疫を分け与えられている
これはいろんな助産師さんから言われた言葉なんですが、実際娘は今のところ病気一つしていません。
(たまたま運が良かったのも大いにあると思うけれど。)

その間私は風邪2回、食中毒1回なってますが…。
ということらしいです。
なんせ風邪は2歳の姪っ子にうつされましたから・・・。
身を削ってでも子を守れているんだ・・・といいきかせながらなんとか乗り切りました。
幸せな気持ちになる
やっぱりこれが一番の理由かと思います。
ホルモンの仕業でもあるんだと思いますが、私の場合オキシトシンめちゃ出てます(※感覚値)。
寝不足で授乳間隔が開かない時はしんどいなとも思うけど、授乳がいちばん幸せを噛み締めている時間だなと思います。

痛くて辛い時期はとても想像できなかったけれど…。
今後成長していくにつれて授乳以上に密着する時間ってどんどんなくなっていくんですよね。
そう思うと途端に寂しくなってしまうけれど…。
1年くらいしかないこの時間を、完母にこだわらず自分なりのペースでめいっぱい楽しみたいと思っています。
今まさに授乳始めたばかりで、私のように満足な量がなかなか出ず、痛いし辛いなと、やめそうになっている方がいたら、こういう人もいるよと参考にしてもらえたら幸いです。

今はまだ想像できなくても、続ければ授乳が痛くなくなる日は来ます。
あくまでも自分が無理しないペースで保護アイテムにも頼りながら母乳育児楽しんでくださいね。

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