小さなお子様のいる子育て世帯のみなさん、災害への備えはどうしていますか?
小さい子がいるとなると、自分で対処できる大人だけの対策とは違って防災対策もいろいろ複雑になってきますよね。特に月齢が小さいほど、ミルクやオムツ、離乳食など非常時に手に入らないと困るものが沢山ありますし。
私には阪神淡路大震災での被災経験と、東日本大震災での帰宅困難者になった経験がありますが、阪神淡路大震災の当時はまだ親に護られてる存在だったし、東日本大震災の時はまだ独身。
しかし現在は人口約1380万人の都内に住み、子を護る立場となり…。
娘の誕生をきっかけに、都市直下型地震の被災体験を振り返りながら改めて防災対策を見直してみることにしました。

ちなみに、阪神淡路大震災の被害は、両親が怪我(父は足の裏を縫うケガ、母はムチ打ち)をしたものの兄弟は無傷、自宅は半壊という状況でした。
非常用トイレを2カ月分備蓄
阪神淡路大震災の時にライフラインが全滅して真っ先に困ったのがトイレでした。
こればかりは非常時でも止めることができませんし、当時ある程度の精神的なショックを受けていたにも関わらず、ショックで出なくなる。なんてことにもなりませんでした。
そして、私が住んでいた地域の水道が復旧したのは約1カ月後。
なので断水や下水道の故障などでトイレが使えなくなったときに必要になる非常用トイレは、前々から夫婦2人分×30日分用意していました。
ただ、現在住んでるのは人口がはるかに多い都内。1ヶ月で復旧なんてできるだろうか…。当時私が住んでいた地域の人口は約552万人。3倍近い規模で地方よりも一人暮らし世帯が多い事を考えると、世帯数にしてもかなり多いと思われます。
阪神淡路と同じような規模の都市直下型地震が関東で起きたとして…同じようにライフラインが壊滅したとして…。人口が多い分さらに復旧に時間がかかることを想定しないといけないなということで、2人分×60日分に増やしました。
娘はまだオムツなので今は2人分だけど、成長に合わせて今後増やす予定です。
あと、現在はトイレの便座に吸収剤の入った袋を被せるタイプのものを用意しているけど、水で流せないし、換気扇も動いてないからもしかしたら臭いがやばくなるのではないか?
それと、自宅が全壊にならずサバイバルできるとも限らないことも想定して、ダンボールの便器を組み立てるタイプのものを用意して、テントで囲って野外に置くことも検討しています。
水20リットルを3箱ローリングストック
真冬だった阪神淡路大震災当時は確か3日以上水分を口にしていなかった記憶があります。給水車が来てくれたのがだいぶ後だったこともありますが、それ以前に何かを口にしようとも思えないというか、喉を通らない日々が数日間続きました。トイレだけは我慢できなかったけど、今思えば、心もカラダも非常事態モードになっていた気がします。
結果、3日水分が摂れなくても生きられるという体験をしたわけですが、季節的なこともあるし(被災時は冬だったので)、なにより当時は若かった…。
冬場でも水分を摂らな過ぎるのは血栓ができやすくなってよくないし、まだまだ小さな娘にまで同じような我慢を強いるというわけにはいかないし…。
ということで、現在は水を20リットルのバッグインボックス(蛇口付きのもの)で3箱購入して、普段はミルクや離乳食に使いながら「ローリングストック」をしています。
あくまでも自宅が被災から逃れ、自宅でサバイバルできる前提ではありますが…。
飲むだけではなく調理にもと考えると、20リットル×6箱くらいあればもっと安心かな?とは思うんですが、保管スペースの関係や水の消費期限の都合を考えると、3箱が現実的かなと。
せめて給水車が来てくれるまで。もしくは流通が復旧するまでの間をつなげられたらと思っています。
粉ミルクは常に2缶在庫のローリングストック
記事を書いている現在、娘は離乳食も後期に突入。そろそろミルクを減らして卒業させたいところだけど、まだまだミルクを欲しがるので、粉ミルクは2缶常備してこちらもローリングストックしています。
流通がストップして食料が少ない状況になった時でも栄養補助にはなるだろうし、もうしばらくはストックを続ける予定です。
離乳食は手作りのみにこだわらず普段からレトルトも食べ慣れさせる
基本は離乳食を手作りしているけど、3つの目的でレトルトのベビーフードも常に買い置きしています。
1つ目は、たまには楽をして離乳食を無理なく続けるためで、2つ目は非常食として。3つ目は普段からレトルトのベビーフードの味に慣れさせておくため。です。

100%手作り離乳食を頑張れたとしても、いざ非常時という時にベビーフードを食べてくれなかったら困るもんね。
ちなみに娘のベビーフードは和光堂さん一択です。
もぐもぐ期やカミカミ期など、成長過程に合った食べ応えに仕上げてあるので、例えば9ヶ月以降のものだとゴロゴロ野菜とか歯茎でつぶせる柔らかさのお肉などがちゃんと入っているんです。
また、原材料表示を見ても化学調味料などの心配なものは入っていないようです。
オムツは常に未開封1パック+大きいサイズ1パックを備蓄
オムツは成長によるサイズアウトの懸念があったり、発達によってテープタイプかパンツタイプかの変化が必要だったりで、なかなか大量ストックが難しいですよね。
なのでうちでは使用中のサイズを1パック分だけ常に未開封があるように買い置きし、更に1サイズ大きいものを1パック備蓄するようにしています。
2パックちょっとでは流通が復活するまでの期間もつか微妙なところですが、こればかりは結構サイズアウトのスピードが早いので悩ましいところなんですよね…。
救援物資が偏ることなく入手できればいいんですけどね。
カセットコンロのガスを3缶×4パックをローリングストック
カセットガスを多めに保管しています。子どもが生まれてからは焼き肉したりたこ焼きパーティしたりもしなくなったし(まだ乳児なので)冬場以外はほとんど使いませんが、お鍋などで使ったら切らさないように多めに買い足しています。
カセットコンロとガスは阪神淡路大震災当時にかなり活躍したものなので、自宅サバイバルを想定した防災アイテムとしては、わりと重要な位置付けのアイテムだと思います。
都市ガス復旧は約3ヶ月かかった
阪神淡路大震災当時、私の地域の都市ガスは復旧まで約3ヶ月程かかりました。ガス漏れ個所を慎重に調べながらの作業なのでとても時間がかかるそうです。それでも3ヶ月で復旧というのは不眠不休で全力で対応してくださった結果の早い復旧なのだと思います。

都内だと3倍近くの人口な上に最近よく聞く人材不足や働き方改革などを加味すると…3ヶ月じゃ復旧できないんじゃないのかな…。
ガス復旧までどう過ごしていたのか
実家の被災状況は半壊。高層階のため、エレベーター復旧までの2週間程避難所で過ごしていたのですが、その間お風呂は自衛隊の方が提供してくれた銭湯に通い、電気が復旧して自宅に戻ってからも、復旧の早い地域の銭湯に通い(電車で行く距離を徒歩で通ったりもした)ました。
食事は復旧までの前半は救援物資のお弁当やパン、カップラーメン、炊き出しをいただいたりもしました。炊き出しはタイミングが合えばいただけるという貴重なものでしたが、温かい食べ物に飢えていたので、あたたかい豚汁が感動的に美味しかったことを強く覚えています。
自宅に戻ってからは、もともと使っていた電気ポットが壊れてしまったので電気が復旧した直後に被害の少ない地域まで遠征して購入し、カセットコンロで沸かしたお湯をポットで保温して大切にお湯を使っていました。
1ヶ月後に水道が復旧してからは、母がカセットコンロを使って料理もしていました。
いつも鞄の中にペンライトを携帯
いつも持ち歩く貴重品用の小さな鞄に、手のひらに収まるほどのサイズのペンライトを入れています。
これは、外出先で被災した場合にも自宅サバイバルにも両方に備えた防災アイテムです。
私が選んだものは小型だけどやや高めのルーメン(45ルーメン)のもので、手のひらサイズなのにとてもパワフル。単3電池1個で使えるんですが、キャンプなどで暗い夜道を照らすと数メートル先まで明るく照らすことができるんです。
購入したのは東日本大震災の少しあとくらいですが、あれから8年以上もちゃんと使えています。その後何回かキャンプに出かけた時や、一時的な停電の時などに照明として一番活躍してくれています。
ペンライトに買い物袋を被せれば光が柔らかく広がるので、ルーメンさえ高いものを選べば、大型の懐中電灯でなくても充分だと私は思います。
阪神淡路大震災の時の失敗から
非常時の照明について、私がこの「小型、高ルーメンのものを持ち歩く」というスタイルに落ち着いたのは、阪神淡路大震災の時の失敗からきています。
当時は単一電池を数本入れて使う大きな懐中電灯が実家にはあったんですが、長期間使っていなかったために電池の液漏れで使いものになりませんでした。
なので結局、兄が震災直後に被害が軽度だった地域まで遠征して電池と一緒に探し回って買ってくることになりました…。電車も復旧していない時期だったので大変だっただろうと思います。
こういうことがあったので、災害の備えにと大きくて立派だけど普段使いはできないような懐中電灯を購入してしまいこんでおくのはやめようと思ったのでした。
いつでも実家に帰れるように現金を準備
自宅でサバイバルできる状況にあったとしても、被災規模によってはライフラインの壊滅状態が長期化する可能性が高いと思います。
幼い子と共に長期サバイバルすることはとても難易度が高いし、ここで踏ん張るよりも被災エリア外に頼れる実家があるなら避難した方が安全と思うので、交通機関が無事だったり、復旧したのであれば、しかるべきタイミングに新幹線で帰れるよう、現金を準備しています。
首都圏はまだまだ地方から出て来ている人が多いから、一時的に東京から人がいなくなるというような、阪神淡路や東日本の時とはまた一味違う現象が起こるんじゃないかと個人的に予想しています。
特に故郷のある若い人を中心に一旦都内からいなくなるとか…。想像ですが。
なのでもちろん、被災直後の救助が追いついていない時期など、お互い助け合いが必要な時は、自分のできる範囲で協力し合うつもりでいます。
そして落ち着いた頃合いを見て娘を実家に避難させるつもりでいます。家族みんなが怪我も無く無事に動ける前提ですが…。
頼れるところがある人は避難をすることで、都内で約1380万人、首都圏だと約3000万人もの大人数で避難所のスペースや救援物資や被災した医療施設などを分け合うより余程効率がいい気がしています。
ただ発生直後の車を使った長距離避難はダメです!私たちも絶対しません。
阪神淡路大震災では避難する車で大渋滞が起こり、救急車や消防車などの緊急車両が活躍できなかったという残念な失敗をしているからです。過去を教訓にこれだけは絶対に同じ失敗を繰り返さないようにしたいものです。

問題は輸送機関がどのくらいダメージを受けてどのくらいで復旧できるのかということ。残念ながら今のところ混乱が極まるような想像しかできない自分がいます…。
今後追加したいこと
たまには過去を振り返る事も大事ですね。この記事を書いていて、災害への備えが全然足りてないな…と感じたので、近日中に追加すると決めたものを備忘録的にまとめました。
モバイルバッテリーソーラーチャージャーを購入
もしか首都直下型地震が起こったら、長期間大規模なブラックアウトが発生する可能性が高いといわれています。長期間電源が取れなくなってしまう事態への備えとして、ソーラー発電ができるアイテムも用意する予定です(夫とどの機種を買うか相談中)。
モバイルバッテリーは普段から使っているので、ソーラーチャージャーから蓄電できるようにします。
実は結構前から検討していて、前々から欲しいと思っていた折りたたみタイプのものが現在はかなり性能が上がっているようだし、軽量化して価格も手を出せるくらいになってきたので、いいものを1つ買ってベランダで実験してみたりピクニック時に使ってみたりして普段使いしてみようと思っています。
私がいま検討中なのはこういう折りたたみで持ち運べるサイズのものです。
【追記:2020/3/8】
ソーラーチャージャーを購入しました。結局、検討していたものとは違うメーカーの「RAV POWER ソーラーチャージャー(3ポート/24W)」というやつにしました。
【追記】在宅避難の視点でソーラーチャージャーのレビュー記事を書きましたのでぜひ読んでみてください。

マキタのUSB用アダプタを購入
我が家ではマキタのコードレス掃除機を使っていて、大容量の外付けバッテリータイプの機種なので、非常時の予備バッテリーとして使用できるように専用のUSBアダプタを買おうかと思っています。
阪神淡路大震災当時とは違い、停電でTVが見れなくなっても新聞が届かなくなっても、情報は手に入れられる時代ですからね。スマホの電源を維持するのもサバイバルする際に重要な事の一つ。だけど、東日本大震災の時のようにデマにはくれぐれも気をつけたいものですね。
【追記】マキタのUSBアダプタ購入しました。
下記レビュー記事も合わせて読んでみてください。

バケツ洗濯機(手動)を購入
これは、気に入ったものがなかなか見つからずに苦戦中なんですが、(欲しいと思ったものは海外のスタートアップのプロトタイプ?かなんかで手に入らない)いいのが見つかり次第購入しようかなと。手洗いとなるとやはりハードなので、子どもの予洗いがひつような衣類(どろんことか)を洗うのに普段使いもできるし、電気復旧までの間、下着を中心に洗濯ができるように節水型のを欲しいなと思っています。
まとめ
以上、自宅が全壊などせず、自宅避難ができる前提の防災対策ではありますが、都市直下型地震を前提とした我が家の備えはこんな感じです。
もっとああすれば…こうすれば…と災害の備えについてもっといろいろ思い浮かんではいるのですが、もしか自宅が損壊してしまった場合や、周囲の火災の延焼の可能性まで考えると、しっかり準備してもそれらを取り出せない事態というのも考えてしまって躊躇してしまっています。考えたくないですが。
とはいえ子を守る立場として、普段使いのものが非常時の備えなるようなアイデアを、これからも追求して備えを手厚くしていきたいです。

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